2024年の山岳遭難2946件:前年比微減も高止まり続く 死者・行方不明者は300人―警察庁
2025年の夏山シーズンもいよいよ本番。警察庁がこのほど公表した24年の山岳遭難概況によると、遭難件数は2946件、遭難者総数は3357人。過去最多を記録した前年より若干減ったものの、数字は高止まりしている。
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遭難件数は180件(5.8%)減、遭難者数は211人(5.9%)減。死者・行方不明者は300人(前年比35人減)、負傷者が1390人(同10人減)だった。遭難者のうち約半数が無事に救出され、約4割が負傷の状態で救出、1割弱が死亡か行方不明となっている。
遭難件数は、2010年代初めには2000件を切る水準だったが、コロナ禍の一時期を除いてほぼ右肩上がりで増加傾向にある。アウトドア活動が近年注目されて、登山者が増えていることが背景にあるとみられる。
訪日外国人の山岳遭難は、発生件数99件、遭難者数135人(うち死者・行方不明者が7人) で、いずれも2018年に統計をとり始めて以降、2番目に多かった。
遭難原因のトップは「道迷い」
遭難者3357人を目的別でみると、登山(ハイキングやスキー登山、沢登りなどを含む)が79.7%。山菜・きのこ取りなどが8.8%。
遭難の原因は道迷いが30.4%と最も多く、次いで転倒(20.0%)、滑落(17.2%)、疲労(10.2%)、病気(7.6%)と続く。
遭難者のうち、40歳以上が2678人と全体の79.8%を占め、また60歳以上が1677人と全体の50.0%を占めている。死者・行方不明者では、40歳以上が275人と全体の91.7%を占め、60歳以上が192人と全体の64.0%を占めている。
富士山、高尾山で遭難者が特に増加
都道府県別でみると、最も山岳遭難発生が多いのは長野県の321件、次いで北海道189件、東京都と神奈川県が183件。遭難者が特に増えているのは富士山(83人、5年平均と比べて62%増)、高尾山(131人、同52%増)など、観光地として有名な山々が目立つ。
【資料】
- 警察庁「令和6年における山岳遭難の概況等」
バナー写真:PIXTA
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